広告

お庭手入れ/植木剪定・伐採 承ります。

小さな仕事もお気軽にご相談下さい。
リンク
 
お庭手入れ・植木剪定

きれいに整えられた庭を眺めていると自然と心に余裕が生まれ落着きを感じます。 庭木は、愛情を持って手を掛けてやれば、正直に応えてくれ、より良い恵みとなって私たちに還してくれます。

庭の様相を観れば、その家の"気"が伝わるとも言われます。 家の"気"を良くするものに"お庭の手入れ"も、欠かせないひとつではないでしょうか?

剪定作業
剪定の必要性

野生の樹木と違い家庭の庭木や街路樹は、何がしかの制約を受ける"人の住空間"に合わせて樹形を整え、なおかつ自然の美しさを最大限に生かすために手を入れてやらなければなりません。

枝を伸ばしに伸ばして茂らせていると、木の幹元まで陽が入らなくなり懐の小枝、小芽が枯れ込んでしまい、ついには枝先だけしか葉っぱが残らない状態になります。(間伸び状態)

枝はお日様に向かって伸び、そして、根から吸い上げた養分は、懐にやるべき小枝や小芽がないものだから、その分を間伸びした枝先へと上へ上へと運びます。

ようするに枝数が多ければ多いほど、吸い上げた養分は、枝の数だけ満遍なく分散されますので、一本の枝先が伸びる割合は少ないですが、間伸び状態の枝ばかりだと、養分が流れる所はそこしかないので、よりいっそう間伸び枝を伸ばしていくはめになります。

そうなってから、剪定しようにも懐に枝がないものだから、適切な整枝剪定ができなくなり、樹形の美しさを損なうことになります。

また、花木などは古い枝を切って新しい枝に更新することで良い花を咲かせることができます。

そのまま放っておくと、木の中まで陽が通らない、風通しが悪いということで病害虫の発生の原因ともなります。

TOPへ戻る
剪定時期

本来、樹種によって(葉もの、花の成る木、実の成る木)、剪定する時期が違ってきます。

近頃は、「その都度、植木屋さんに頼むのも…何かと費用がかさむし…。ちょっとの事で来て貰うのも悪いし…」なぁんて、お考えの方もおられる様で…庭の手入れは、年に2回、或いは年1回というところがほとんどなんですね。

「花はいいからバッサリいっちゃって。」なんてことでしたら、もちろん時期を選ぶ必要も無いのでしょうが、でもせっかくだから花を咲かせてあげたいものですよね。

下の図表は、代表的な庭木の開花時期と花芽分化時期を表したものです。

※花芽分化時期:
発芽後、葉や茎を大きく成長させ、やがて生殖のために花になる芽が形成される時期 花芽分化時期は植物自体の栄養状態や気温、日照時間などの環境で多少の変動がある。

初春から初夏にかけて、開花時期が集中しているのがわかります。

高中木は、年間を通じて、ばらけていますよね。

基本的に花後、数か月が経って花芽分化が始まり、翌年の開花時期を迎えるということですから、花芽分化後に切ると花芽を落とすということになります。

なので剪定作業は花が終わった後〜花芽分化期の1ヶ月前(遅くても半月前)の間に行うのが理想的です。

そうすると、ウメは、花後〜6月中旬まで。サルスベリは、花後〜翌年3月中旬まで。サツキは、花後〜7月上旬まで。ということになります。

図表の開花時期に合わせて各花木を花後すぐに剪定するのが理想ですが、じゃぁ年2回或いは年1回だけのお手入れだったら、どのあたりが無難かというと…

年2回の作業の場合ですと、低木、特にサツキツツジなどの花後をひとまとめに考え、6月中旬〜7月上旬頃までに低木の刈込みを中心に高中木の剪定が1回、 そしてその後、秋から冬にかけて庭木が活動期を終える頃、9月下旬〜12月下旬頃に2回目。

年1回の作業の場合ですと、庭木の休眠期に入るあたりから(10月〜3月)が適期かと思います。 ただし、年2回も年1回の場合も、その時期の花木が花芽分化期を過ぎている場合は、徒長枝、からみ枝程度しか切れないことになります。(花芽を考慮に入れないのなら普通に剪定できますが。)

それ以外の葉物の場合は、あまり時期を問いませんが、あまりに早い時期に剪定すると成長の著しい庭木ですと秋以降には、ある程度伸びているものがありますので、できれば、活動期を過ぎた当りからの剪定が望ましいですね。

TOPへ戻る
剪定方法
自然樹形仕立てと人工樹形仕立て
◆自然樹形仕立て◆

「透かし剪定」或いは「散らし剪定」とも言います。

樹木それぞれの特性を生かしながら自然な樹形を保ちつつ、伸びた枝だけを刈り整えるだけではなく、懐や重なりのある不要な枝を取り除き、樹幹元まで十分な陽が入るように枝数を調節します。

いわゆる、樹冠全体の枝葉を適度に"散らす"ように残し 樹幹元まで、陽当りと通風を良くする様に"透かす"ということですね。

こうすることによって枝先だけではなく大切な脇芽も次年の更新枝として良い環境で育ち、また、陽当りと風通しを良くすることにより、病害虫の発生を抑えるという役割もあります。

スギ
モチノキ
カシ
ハナミズキ
シダレサクラ
シダレウメ
イトヒバ
ヤナギ
ケヤキ
サクラ
モミジ
コブシ
カシ
ソヨゴ
上図は、庭木の代表的な自然樹形です。 おおかたの自然樹形仕立ては、大別するとこの4パターンの樹形が基本となって整枝されます。

*不要な枝を取り除く

左図は、基本的に不要と考えられる枝を赤色で表しています。

@ 交差枝
A 立ち枝
B 徒長枝
C 逆さ枝
D 絡み枝
E 重なり枝
F 垂れ枝
G ひこばえ

簡単な図ですが、実際はもっと枝葉が生い茂り、混み合っていて、素人の方には何をどこから剪定していけば良いのか見当がつかないものです。

その場合は、まずは、"消去法"で考え、左図のような枝を一本一本抜いていくというように、どの枝を残そうかと考えるのではなく、どの枝が要らないのかということを意識において悪い枝をまずは取り除いていくことで、徐々に全体の樹形、枝ぶりが見えてきますよね。

*仕立てたい樹形をイメージする。

そして、ここからが個人のセンス(感性)になってくるのですが、まず、その庭木をどのような樹形にしたいのかをイメージします。 枝を伸ばしたいのか?短く縮めたいのか?強剪定なのか?柔らかい剪定なのか?… それは、庭木の生育状態や庭の環境、スペースによっても剪定の程度をあらかじめ考慮に入れておきます。

*枝おろし

「枝下ろし」とは大枝を幹の根元から落とす剪定で全体の主枝の密度を調節します。 幹から伸びる樹冠の骨組みとなる主枝は、通常は落としませんが、明らかに他の枝と接近し過ぎている、絡まっている、交差しているような枝があったなら、思いきって抜いてやるのも、全体のバランス、美観を良くする上で必要なことでしょう。

*必要以上の強剪定は、樹木に悪影響

狭いスペースで木が大きくなったという理由で、止むを得ず、枝を詰める(枝を縮めて小さくする)事もよくありますが、できるだけ強剪定は避けたいものです。 枝を大きく落とすという事は、庭木に幾らかの負担をかけるものです。元気のない木には当然よくありません。逆に萌芽力の強い庭木だと、強剪定して詰めた枝からよりいっそう徒長枝が長く伸び、樹形を乱すことにもなり、結局、要らない枝を増やすだけになってしまいます。

樹木の習性は、強く切り詰めるほどに枝は、より成長しようとする速度が速く、弱剪定だと、成長がゆるやかで伸びが遅いものです。なので本来、太い枝は落とさずに、幹元に陽が入る程度に明らかに要らない枝や細かい枝を抜く程度の剪定の方が木の成長は緩やかでしなやかな枝ぶりなのです。

*自然に逆らわない剪定を心がける

自然樹形仕立ては、樹木本来の個々の特性を尊重し如何に自然に逆らわない素直な剪定ができるかがポイントだと先にも言いました。(言ったかな…?)

では、「自然に逆らわない剪定」とは何でしょう?

太陽は、東から西へと弧を描き樹木に光を注ぎます。

樹木は、光合成という営みのために描かれた弧に沿って時の経過とともに陽差しの方へと枝を伸ばしていきます。 また、四季折々により太陽の弧を描く角度も変化します。(夏至〜冬至の移り変わり)

この、弧に沿って伸びる樹木は左図にように太陽に向かって放射状に枝を伸ばしていきます。

これが、自然な樹木の姿になります。

そしてこの姿こそが、自然の摂理に則ったいちばん美しい様相といえますね。

もともと、美しい姿に人が手を加えるのだから、例え"自然樹形仕立て"と言えども、人工的に整枝剪定することには変わりありません。

なので、もともとの自然美を損なわない、あるがままの姿をいっそう美しく表現してやる剪定が理想的で望ましいことなのだと思います。

◆半自然樹形仕立て◆

半自然樹形…? 何じゃそりゃ? とお思いですが、要は、人工的に仕立てられた樹形でありながら「透かし剪定」を用いて自然風に枝を間引き、仕立てられた庭木の事を私が勝手に名付けました。

庭の主木となる「松の木」や透かし剪定で仕立てられた「マキ」などがそうです。

野生に自生している松の姿は自然樹形そのままですね。これを若木のうちに人の手によって枝を矯正せしめ萌芽を短く抑え摘んでゆき仕立てられたのが庭木となります。

しかし人工的といえども、樹形や枝の仕立て方には、自然の理に適った整枝がなされているので自然と人との共同創作樹と言えそうです。

剪定方法の基本的なものは、自然樹形仕立てと変わりません。 ただ、芽をできるだけ抑えなければならないということと、手入れの中に葉もみが加えられ作業の手間が結構かかるということです。

◆人工樹形仕立て◆

刈り込み剪定

大鋏(両手鋏)或いは、片手の刈込み鋏を使用して人工的に樹形を作っていきます。

「玉作り」… 玉物仕立て とも言います。

「段作り」… 段物仕立て、玉散らし仕立て とも言います。

「生 垣」

刈り込み剪定は、木の葉が細かい(小さい)ほど見た目がすっきり滑らかな仕上がりになり、葉が荒い(大きい)ほどに荒削りな感じになります。なので人工樹形仕立ては本来、芽の細かな樹木の方が向いていると思います。ツツジ、ツゲ、カイズカイブキ、などがそうですね。

花木などは、花後に刈込む際、毎年刈込んでいる深さまで刈込まなければ年々玉が大きくなるはめとなります。(大きくさせたいのなら別ですが。)

本来、人工樹形仕立ては、枝葉を刈り揃えるだけなので、ある程度の年齢に達した樹木ですと、表面的にしか葉が付かなくなり、中ほどは陽が入らないので枯れ込んでしまい骨組みだけの葉がない状態になることがほとんどです。(下図)

木が古くなってから大きくなったので左図のように刈り詰めたいと考えても中ほどには、葉がないので枝の骨格だけしか残りません。樹種によっては、軸だけになっても翌年になると芽吹きのするものもありますが、それも老齢の木になると刈り詰めると枯れ込むものも少なくありません。

特に針葉樹などは、葉が無いところで刈り詰めると芽吹きしにくく枝枯れしやすいので注意が必要です。

TOPへ戻る
お庭手入れ作業手順と注意点

作業手順といっても新ためて語ることでもありません。

剪定作業に入る前にやらなければならない事です。

最近、各お庭内には、植木鉢や盆栽などがそこかしこに置かれておられます。 上から剪定した枝が落ちてくるわけですから、後々の掃除のためにも、また、落とした太枝で植木鉢や盆栽などを破損させないためにも、除けておきたいものです。

後の掃除の手間を少しでも省くように庭木の根元には、ブルーシートなどを敷き詰め、足元に草花などが植えてあれば、寒冷紗などで保護・養生をしておくようにします。

砂利の敷き詰めてある庭は、ブルーシートで覆います。

庭に池がある場合、よく松の木の流しなどが池に被らせて植えられています。その場合、できるだけブルーシート等で池を覆い枝葉を落とさないよう養生します。

灯篭の宝珠(笠の上、燈籠の最上部) などは、取り除いておけるのなら、下ろして庭の片隅にでも保管しておきます。特に宝珠の上の角になった部分は、石材ですが両手鋏の柄で衝撃を加えただけでも折れてしまう場合があるので気をつけたいものです。

小さな灯篭なら灯篭ごと、安全な場所に移すこともあります。不安定な灯篭なら作業中に足元で引っかけても崩れる場合があるからです。

お隣の敷地内に切った枝葉が落ちないか確認しておく。 落ちるようであれば、事前にお隣宅へおことわり(ご挨拶)しておく。

このように前準備をして初めて剪定作業に入ります。

作業は、一般的にいちばん大きな庭木から、高木→中木→低木という順に進めていきます。

脚立の据え方ひとつで作業効率、安全性が随分と違ってくるものです。
上手な据え方は、適切な大きさの脚立を的確な場所に持って行き、移動する量を極力少なく作業を短縮化するように据え付けます。
。脚立の三点の足元がしっかりと落着いた箇所に据えられているか。(滑ったり、踏み外したりしないか?) また、傾けて据えられていないか? という安全面も十分に考慮して作業にとりかかります。

TOPへ戻る
剪定道具の豆知識
◆脚 立◆

脚立には、足が3本で構成された園芸用三脚と通常の4本足の四脚とがあります。 剪定作業にはどちらが適しているのかというと

断然、三脚です。 私的には、剪定作業に関わらずどんな作業をするにも三脚のほうが使い勝手が良いですね。 「足が多いほうが安心じゃない?」とお思いでしょうが、 安心感、安定度から言って四脚より三脚のほうが優れています。 四脚は地面に設置する箇所が四点です。四点のうち一点の地面が凹んでいたら対になる二点が軸になって天秤状態になりバランスが悪く安定しません。

それに比べ三脚は、地面に少々の傾きがあっても三点で均等に支え合い安定したバランスを維持できます。また、庭内は、木と木の狭いスペースに脚立を据えなければならないし、足元には、灌木やら草花やらで足を持っていくスペースに限りがあります。その点、三脚だと狭い所でも設置が容易で安全面、作業効率から考えると断然、良いと思います。

◆植木鋏◆

植木鋏は、通常、次の4種類の鋏(ハサミ)を使い分けています。

大鋏(両手鋏)…「玉物仕立て」「段物仕立て」「生垣」などに使用。用途によってタイプがあり、噛合わせ時のストッパー付き、ストッパー無し。柄の長いもの短いもの。樹種によって使い分けられる薄刃と厚刃があります。マキ、カイズカ、サツキなど比較的柔らかい葉だけを刈るならシャープに刈れる薄刃タイプ。モクセイ、カシ、マサキなど葉と一緒に枝先の軸も刈込む場合は厚刃タイプが適しています。職人によっては、使い安くするために柄を適度な長さに切る人がいますが、闇雲に切ってしまうと柄の重みと刃の部分の重みのバランスが悪くなり、かえって使いずらいということにもなりかねません。一般的に素人さんから職人さんにでも使いやすいのが「岡常」の鋏で、幅広い用途で使われています。
剪定鋏 …ほとんどの枝を落とす場合は主にこちらを使用。いちばん使用頻度が高いですね。柔らかい枝ならφ30mm内外の太さでも鋸を使わず摘むことができます。 この鋏の特徴は刃の構造にあり、片側が枝を受けて抑え込む「受け刃」もう一方が刃渡りが湾曲状に弧を描く「切り刃」と言います。普通の鋏が両刃で挟み込んで、ある一点を抑え込んで切るのに対し、この刃の構造は、受け刃で枝を一点に固定し、アール状になった切り刃で引き切るようになっているので、力をあまり加えることなく、切り口を痛めることなくシャープに切断することができる優れた鋏なんですね。料理の際、お刺身をまな板に固定して包丁を手前に滑らすように引き切るのと同じ原理ですよね。例えがイマイチですが(発明した人はエライ!)
長刃鋏(片手刈込鋏)…段物仕立てなどの両手鋏だけでは刈込みづらい玉ものの裏側や狭い隙間の刈込みに重宝しています。また、トピアリーなどの造形刈りなどにも便利ですね。他の用途としては、木を移植するのに根を掘り取る際、根切りとして使う事もあるようで、そのため根切り鋏とも呼びます。(根切りに使うのには余りにも勿体無いような気がしますが。) 基本的には葉刈り用なので細い枝でも摘むことは極力しません。割と刃が薄いので丁重に扱わなければすぐ刃こぼれします。他の鋏はみんな大事なものですが、これが無いと仕事にならないぐらいに良く仕事をしてくれる鋏ですね。
木鋏(輪鋏)… 細かな枝、混み合った細い芽などを抜くときに使用。主に松の剪定、竹の透かし、スギ、ヒバ等の小枝の透かし、剪定鋏で入れにくい細かな枝抜きに便利。 形、刃の長さも多種類あるので自分の手にいちばんフィットするものを選びたい。 よく、石の上などに落として刃先を折る事があるが、大事に使えば一生物の逸品です。
◆ヘッジトリマー◆

昨今は園芸用機械器具も良いものが出回り仕事の効率化に役立っているようですね。 中には、"こだわり"のある職人さんも多々おいでになる様で一切そのようなものを使わないという方も珍しくありません。 …私は、有難く使わせて頂いております。文明の利器には柔軟に対応するタイプなんですね。 ヘッジトリマーとは、いわゆる植木用のバリカンであります。 エンジン式と電動式がありますが、個人宅にはエンジン式は騒音が酷いので不適切かと。 電動式ヘッジトリマーは、比較的、低音の上、軽量化されていますので扱いやすく、細かな葉の庭木を刈込むのに最適ですね。(カイズカイブキ、ツゲ、サツキツツジなどの刈込みに適しています。)

◆ブロワー◆

近頃のほとんどの植木屋さんが利用しているという必需品でもあります。清掃作業の強い味方。庭内の細かな落ち葉やゴミを吹き飛ばして片隅に寄せてゆき処理しやすくします。家庭用掃除機のように細かいゴミ落ち葉を吸い取るタイプもありますが、こちらはその逆タイプ…というか、こちらが正規の使い方なんですね。ひと昔前の職人さんは、手ボウキで草花の間や苔や砂利の上などを地道に手をかけて掃いていましたが、ブロワーが世に出てから、剪定後の清掃が格段に早くなりました。 しかし、あえて欠点を申しますと割と風力があるものだから、落ち葉と一緒に細かな砂や土なんかも飛ばしてしまうことがあります。根締めで地比類が植わっていたりすると砂土を飛ばして根を浮き上がらすこともありますので気をつけなければならないところです。

TOPへ戻る
安全な作業を心がける

ここで言う安全とは、
「構造物の安全保護」と「職人自身の安全確認」の2点についてです。

◆構造物の安全保護◆

お庭周りには、住宅建物を含めて、多くの構造物があります。外壁、窓、室外機、瓦、フェンス、灯篭、門扉、外灯、庭園灯、植木鉢、狸の置物、などと様々です。

そのような構造物は、作業中に接触等で傷つけない様、十分な配慮が必要です。

よくありがちなのは、(よくあってはいけないのですが…。)

庭に脚立を持ち込む際に門扉や庭園灯に接触しての傷。
剪定枝の落下による植木鉢、置物などの破損。
灯篭の宝珠(とうろうの最上部)の角先に両手鋏の柄が当り、折ってしったり。

作業者は常に保護意識を持って周りに目を配り作業を進めなければなりません。

庭内で使っていない脚立は、極力寝かしておく。立たせておくにも構造物から離して倒れないように安定した場所で置いておく。
脚立を家の外壁に持たれかすなどは、以ての外。

灯篭の宝珠(とうろうの最上部)などは、はずして下に除けておく。作業の際に灯篭の笠などに絶対、足をかけない。屋根瓦に気をつける。大きな枝を落とす時は、植木鉢、置物を除けておく。庭園灯などは養生する。

当たり前のことですが、常に周りの構造物に気を配り作業に臨まなければなりませんね。

◆職人自身の安全確認◆

お庭の手入れの約半分以上が高所作業です。 公園やお寺の樹木剪定作業に比べ個人宅の庭木は比較的、木が小さく、ともすれば気をぬく事もありがちです。(不真面目ということではありませんが…)普段から高い所に慣れているせいか注意力が散漫になることもあるからです。

統計的に言うと比較的に高い木(5m以上)よりも低い木(3m以下)での事故(落下事故・落下未遂)の確率の方が高いようです。

それは、ほとんどの場合、不注意と手抜きが原因で事故に繋がります。

木が小さいからと言って心理的に甘くみているのでしょうね。

では、「不注意」や「手抜き」とはどういうことでしょう?

大半の落下事故・落下未遂の直接的原因は、「枯れ枝に足や手をかけた。」或いは「枝に足を滑らせた。枝をつかみ損ねた。」というものです。

*枯れ枝に注意!

経験の長い職人なら枯れ枝かどうかという判断はそう難しくは無いはずです。枝の被皮の色や水気のない乾燥感があり、だいいち葉芽が枯れ込んでいるからです。(中には、冬期の落葉樹の枝で一目で判断のつかない元気のない枝もありますが…) 枯れ枝はいくら太くてもサクいので負荷をかけると、しなること無く、一瞬で折れます。

枯れ枝と知ってか知らずに手(足)をかけたということは、気持ちに余裕が無く「つい、やってしまった!」としか言いようがありません。仮に「木に登って行くのにその枝しかなかった」というふうに無理を承知で手(足)をかけたなら、絶対に止めるべきです。

「急いでいて気持ちに余裕がなかった」というのは、不注意から来るものだし、 「無理を承知で…」というのは、"安全意識の手抜き"行為だと思います。

*木登りの基本は"三点確保"

登山の岩山登りの基本に「三点確保(三点支持とも言う)」というものがあります。 常に両手両足のうちの三点を確保しながら(動かすのは常に一点のみ)登っていく方法です。 安全登山のための基本中の基本なんですね。

木登りも同様にこの"三点確保"は安全な作業を進める上で非常に重要なポイントです。

"三点確保"をもう少し詳しく説明すると、

両足の2点を木の枝にしっかり乗っけて両手の2点で枝を掴まえた状態から、上へと移動していく際に 、まず足か手のどちらか1点のみを枝から離し次の枝へと持ち替える。(足の場合は置き換える) しっかり持ち替えてから、また4点の内の別の1点の足(或いは手)を移動させます。 足の移動は、足とともに体の重心も次の枝にしっかりと移動して初めて他の1点を離すというようにします。

ここで重要なのは、1点だけを次の枝に確実に確保されたことを確認して初めて次の1点を枝から離すことを徹底しなければなりません。

このように4点の内、3点の手足は常に枝を掴まえており、移動中に片手が枝を掴み損ねても、片足が枝を滑らせたとしても、常に3点で確保しているので落下の確率は極めて低いということになります。

*脚立の安全な据え方

脚立を使って作業する際には、3点の足元を十分に確認しておかなければなりません。 特に1本足を据えるときは、木と木の間や下草、灌木などで足元が隠れてしまい状況が見えない場合がよくあります。よく見ると不安定な小石の上に乗っていたり草花をふんずけていたり、滑りやすいものに乗っていたりで非常に危険なんです。特にタイルの上なども滑りやすく、1本足の設置には注意が必要です。

私も疲れが溜まっていると面倒臭くなり「大丈夫だろう」と安易に見過ごしてしまうことがあります。 そんなときは、だいたい不安定な据え方をしているものです。

3点の足元を常に確認する事。確認!確認!これに尽きますね。

TOPへ戻る

【主なお仕事エリア】

大阪府■枚方市|交野市|寝屋川市|門真市|高槻市|島本町|四条畷市
京都府■八幡市|久御山町|京田辺市|精華町|井手町|城陽市
奈良県■奈良市|生駒市


〒573-0115 大阪府枚方市氷室台1−16−1

造園社みやび

TEL/FAX 072-380-9828